・Windowsから Linux に移行してみたけど、情報がうまく集められない
・ Linux の各ディストリビューションの情報の少なさに困っている
・ディストリビューションの使い方・設定などの情報を集める方法を知りたい
・初心者が Linux のコマンドを学ぶ時に分かりやすい本を知りたい
Linux の情報を効率よく集める方法が分かる
この記事では、Linuxの初心者やライトユーザーが、必要な情報を効率よく集める方法を紹介します。
日常的にLinuxを使う時に、最低限揃えたい書籍が分かります。
Linuxについての最新情報を集める方法が分かります。
Linux の情報はネットと書籍を組み合わせて集めよう
はじめに結論です。
Linux初心者は、「書籍を2冊」と、「国内、海外のサイト」の情報を、組み合わせて情報収集しましょう。
書籍は、「Linuxの概要・構成などを解説」したものを一冊と、「コマンドのハンドブック」を一冊用意しましょう。
この記事の対象ユーザーは「一般ユーザー」「ビギナー」
LinuxはWindowsに比べて知名度が低く、ユーザー数も少ないOSだといわれます。
これは、「一般のPCユーザーにとっては」という前提でいえば正しい表現になります。
家電量販店の店頭に並ぶパソコンにはLinuxが搭載されたモデルは見当たりません。
しかし、企業のサーバーや、車のオンボードOS、設備の制御用コンピュータなどはLinuxで運用されているものが多くあります。
それに対して、一般のPCユーザーでLinuxを使用しているのは、オープンソースのLinuxに興味をもった方など、Windowsユーザーに比べればわずかだと言ってよいでしょう。
ここでは、Linuxのユーザーを次のように大まかに分類します。
・GUIのディストリビューションを使う「一般ユーザー」
・WindowsからLinuxに移行した「初心者」
この記事では、「一般ユーザー」と「初心者」が普段使いのOSとしてLinuxを活用するときに、効率よく必要な情報にたどり着く方法を紹介していきます。
Windowsの初心者向け手引き書のようなものは Linux にはない
本屋でパソコン書籍のコーナーを見ると、WindowsやMacの初心者むけの本がたくさん並んでいます。
中身は、日常的に使っている人から見れば、わざわざ本にするまでもないような内容が多く、本当に初めてパソコンに触るような人に、手取り足取り教えるものです。
しかし、同じOSでありながらLinuxを対象にした、初心者向けの手引書のような本は、ほとんど見つけることができません。
ある程度の知名度があるUbuntu向けの本は、大きな本屋やネットで見つけられますが、他のディストリビューション向けはほぼ無いといってよいでしょう。
タイトルに「Linux」とついた本は結構ありますが、サーバー管理者やエンジニアなど専門家にむけた技術書がほとんどで、ビギナー向けの本とうたっているものでも「エンジニア一年生向け」の教科書のような内容のものばかりでした。
残念ながら、Windowsユーザー向けにあるような、やさしい内容の本はLinuxユーザーには用意されていないように見受けられます。
Linux ビギナーに必要な情報
パソコンのOSをWindowsからLinuxに入れ替えたり、自作PCにLinuxを入れたりした人の多くは、GUIベースのディストリビューションを選んでいると思います。
操作感がWindowsやMacに近いことや、無機質な画面にコマンドを打ち込んでいくことに抵抗のある方も多いでしょう。
UbuntuやLinuxMintなどの、ユーザーフレンドリーなディストリビューションはとても使いやすいOSですが、使い込んでいくとGUIの操作だけではできないことが出てきます。
それは、ディレクトリ構造であったり、ファイルシステムであったり、シェルを使用したコマンド操作だったり、Linux独特の仕組みの部分です。
Linuxを使いこなすには、必要な情報にスムーズにアクセスできるようにしておくことが必要です。
日常的にLinuxを使用していて、必要になる情報とはどのようなものでしょうか。
大まかなものを列記してみます。
・ディストリビューションの操作方法
・用途別のソフトウェアの情報、使い方
・主なコマンドとコマンドオプションの機能と使い方
・トラブル、不具合の対処方法
・最新のディストリビューションの更新情報
この他にも、ハードウェアの対応状況や、Windowsとのソフトの互換性など、知りたい情報はあると思いますが、普段の使用では主に上のような情報だと思います。
Linux ライトユーザーの情報収集法
エンジニアでも専門家でもない一般のLinuxユーザーが、効率よく必要な情報にアクセスするためには、どのようなツールが必要でしょうか。
前の項のリストに沿ってみていきましょう。
Linux、ディストリビューションの構造・仕組み
Linuxは、中核プログラムであるLinuxカーネルと、周辺システムの組み合わせであるディストリビューションから成り立っています。
Linuxの構造や仕組みについては、分かりやすく書かれている書籍を一冊用意しておきましょう。
本を用意する理由は、Linux自体の構造や仕組みは、突然大きく変わることはなく、本が多少古くなっても、使えなくなることがないからです。
むしろ、内容が広い範囲に及ぶため、一回一回ネットで調べるよりも、本のほうが情報にたどり着きやすいといえるでしょう。
選ぶ本は、一つ一つの用語をきちんと解説しているもので、索引がついているものにしましょう。
例えば、こちらの本は比較的分かりやすい内容で、パソコンで実践しながら学ぶことができるようになっています。
「基礎からしっかり学ぶLinux入門」[河原木忠司]
価格:2,948円 |
個々のディストリビューションの操作方法
初心者向けといわれるディストリビューションである「Ubuntu」は知名度もあり、はじめて使う人向けの解説書がいくつか発売されています。
しかし、同じように初心者にやさしいといわれる、他のディストリビューションには、そのような書籍はほとんどありません。
(洋書では色々な本があるのでこの限りではありません)
そのため、ディストリビューションの操作方法や設定などは、自然な流れで、ネットの情報を頼ることになります。
Linuxはオープンソースであるが故に、ユーザーグループやネットコミュニテイが充実しています。
海外のサイトも含めれば、必要な情報はほとんど手に入るはずです。
特に、XubuntuやLinuxMint、Linux Liteなど、Ubuntuからの派生ディストリビューションは、Ubuntuのノウハウをそのまま使用できることが多くあります。
Ubuntuは、Linuxの中では利用者の多いディストリビューションのため、多くの情報がネット上にあります。
ネットの情報は、バージョンアップなどの仕様変更にも、タイムラグが少ないタイミングで更新されるため、書籍に頼る理由がないともいえるでしょう。
ソフトウェアの情報、使い方
LinuxはOSがオープンソースであると共に、様々なソフトウェアもオープンソースで提供されています。
パソコンの作業で必要なソフトはすべて揃うといっても過言ではありません。
ディストリビューションにプリインストールされているソフト以外にも、数多くのソフトがウェブ上に公開されています。
しかしOSと同じく、それらのソフトはテレビCMや、コンピュータ雑誌などで大きく宣伝されることはありません。
なぜなら、利益やソフトのシェアを追求しないオープンソースは、広告宣伝費をかけて世の中に告知する、という動きには繋がりにくいのです。
ではユーザーはどうやって、優れたソフトウェアの情報を得るのかといえば、やはり、ネット上の情報に頼ることになります。
Linuxは、数多くの先人が、善意に満ちた情報をネットに公開しています。
その中には、優れたソフトの紹介や、特定の用途のソフトを比較したものや、ソフトの使い方を解説したもの、インストール方法など、ビギナーが必要とする情報があります。
日本語で書かれたサイトだけでなく、海外のユーザーグループや、個人サイトも見てみましょう。
世界中のLinuxユーザーが有益な情報を公開しています。
今は、ブラウザの機能で簡単に翻訳ができるため、若干の読みにくさはあるものの内容を把握するのに困ることはないでしょう。
主なコマンドとコマンドオプションの機能と使い方
親切なGUI環境のディストリビューションを使っていても、どうしてもコマンドでの操作が必要になるのがLinuxです。
コマンド入力の都度、ネットを調べるのも一つのやり方ですが、時間がかかることと、ネットの情報は信憑性の検証が必要なことが問題になります。
コマンドとコマンドオプションについては、きちんとした書籍を一冊用意しましょう。
本で調べることはもちろん、ネットの情報の検証にも使うことができます。
学生時代の英語の辞書のように、ボロボロになるまで使い込む頃には、あなたはLinuxのベテランになっていることでしょう。
Linuxのコマンドは、コンビニの新商品のように短期間で劇的に変化することはありませんので、しっかりした内容の書籍ならば長い期間にわたって使えるはずです。
僕が使い倒しているのはこの本です。
「【改定第3版】Linuxコマンドポケットリファレンス(ポケットリファレンス)[沓名亮典]」
Linuxの概略や、仕組みから、コマンドの説明、書式、オプションなど詳細な解説が記載されています。
改訂と版を重ねて、信頼性も十分です。
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トラブル、不具合の対処方法
トラブルや不具合の対処方法はネットが最適です。
書籍や雑誌では、ディストリビューションごとの細かなトラブルの対処は見つけられません。
名の知れたディストリビューションは、安定性の高いものばかりなので、普通に使っていてトラブルに遭遇することはあまりありません。
それでも、ちょっとした不具合や、自分の使いやすいようにしたいときの知恵は、ネット上に転がっています。
あなたが陥るトラブルは、世界中にいるユーザーの誰かが過去に解決した問題であることがほとんどです。
同じく、あなたが「こんな風にしたい」と考えることは、世界にいる誰かが思うことと同じだったりします。
ディストリビューションの更新情報
ディストリビューションの更新情報や、Linuxに関連した最新の情報をチェックするには、ネットの情報がタイムリーで充実しています。
日本のサイトでは「ITmedia(https://www.itmedia.co.jp/keywords/linux.html)」が有名です。
ITmediaは、国内外のIT関連情報、エンタープライズ、モバイル、通信、デジタル家電、ゲームなど様々な分野の情報を集約、発信しているメディアです。
その中に、Linuxに関係した情報を集めたページがあり、比較的情報を得やすくなっていますが、ディストリビューションの更新や、Linuxのソフトウェアについての情報はあまり載っていません。
ITmediaと双璧をなす日本のサイトとして「INTERNET Watch」がありますが、こちらはLinuxの情報はほとんどほぼありません。
海外のサイトでは、「Linux Today(https://www.linuxtoday.com/)」と「9TO5LINUX(https://9to5linux.com/)」が非常に有益です。
どちらのサイトも、ディストリビューション、デスクトップ環境、ソフトウェアの更新情報、セキュリティなどの最新情報のほか、不定期にユーザーに有益なコラムが掲載されるため、Linuxを活用するためのヒントを得られます。
これらのサイトの特徴は、とにかく情報が早いことです。
正規版のみならず、ベータ版のリリースや、先のスケジュールなど、公式発表された情報はほぼ網羅されています。
Linux 関連情報の集め方のまとめ
Linuxを使いはじめて、ある程度の知識を身につけるまでは、いかに効率よく情報を集めるかが大事です。
作業が中断したり、トラブルの解決ができなかったりすると、Linuxを使うことを諦めてしまうこともあるでしょう。
人それぞれやりやすい方法はあると思いますが、一つの方法として参考にしていただけたらと思います。
簡単にまとめます。
Linux、ディストリビューションの構造・仕組み | 書籍 |
主なコマンドとコマンドオプションの機能と使い方 | |
ディストリビューションの操作方法 | 国内・海外のネットの情報 |
用途別のソフトウェアの情報、使い方 | |
トラブル、不具合の対処方法 | |
最新のディストリビューションの更新情報 |
時間の経過によって更新される情報はネットから入手し、Linuxの仕組みやコマンドのように変化が少ないものは書籍を頼る、という使い分けがベターだと考えます。
書籍は、洋書に内容の濃い物が多いですが、日本の著者が書いたものでもしっかりした内容で版を重ねているものも多くあるので、今回紹介した書籍など参考にしてもらえたらと思います。
ネットの情報についても、Linuxは海外サイトのほうが情報がリアルタイムに近いため、日本のサイトと合わせて、ブラウザの翻訳機能を活用しながら海外サイトのチェックをすることで、必要な情報が手に入りやすくなるでしょう。
また、近頃ではYouTubeでLinuxの情報を発信されている方も見受けられます。
内容は、ネットの記事を読み上げるような形式のものが多いですが、画面に分かりやすく表示しながら解説している動画もあるので、信用できる配信者の動画は活用してみてもよいと思います。
YouTubeも、海外の動画が多くありますが、英語が得意ではない方にとっては利用が難しいですね。
Linux 関連本はこれがおすすめ
今回、本文中で紹介した書籍は、以下の2冊です。
これ以外にも優れた本はありますが、僕が常に手元に置いて開くのは自然とこの2冊になっています。
「基礎からしっかり学ぶLinux入門」
価格:2,948円 |
「Linuxコマンドポケットリファレンス(ポケットリファレンス)」
[改訂第3版]Linuxコマンドポケットリファレンス (ポケットリファレンス) [ 沓名亮典 ] 価格:2,618円 |
Linuxディストリビューションを試すなら中古PCもおすすめ
Linuxにはたくさんのディストリビューションがあって、それぞれに特徴があります。
いろいろ試してみて、あなたに合ったOSが見つかると、PCを使うのも楽しくなります。
また、LinuxはWindowsに比べて動作が軽く、古いパソコンでも軽快に動作するものも多くあります。
ご自宅の古くなったパソコンを活用したり、テスト用に少し古いパソコンを安く買って試してみるのもよいでしょう。
おおまかな目安ですが、Intel製CPUであれば、第6世代以降のcore i3、第4世代以降のcore i5が積まれたパソコンであれば、Linuxディストリビューションでたくさんのことができでしょう。
このグレードのパソコンは、中古通販サイトを覗いてみると、ノートパソコンの安いものでは1万円台、高くても4万円程度で購入できるものが多くあります。
(デスクトップはもう少し幅があるようです)
店舗に行くのが面倒なあなたには、通販サイトがおすすめです。
各機種のスペック、細かな特徴まで掲載されているので、実機を見なくても安心して購入することができます。
最後に僕のおすすめの通販サイトのリンクを2つ貼っておきます。
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